歯科医の先生方へ To doctor

ご挨拶

このたびは日本歯科医療相談センターのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。私は昭和62年の開院以来、歯科医の一人として多くの患者さんと向き合って参りました。以前は患者さんが帰宅後に尋ねたいこともあるだろうと、携帯番号をお教えして診療時間外の相談を受けていました。自分なりに患者さんの思いに応えている“つもり”でいたのですが、ベストセラー『となりのクレーマー』の著者で、苦情・クレーム対応アドバイザーである関根眞一氏との出会いにより、自分の対応の未熟さ痛感するようになりました。私は歯の治療に関してはプロですが、歯科医師として当然身に付けておくべき人間的対応に関して全くなっていませんでした。関根先生とお会いして特に“傾聴”することの大切さを学びました。しかし、日々多くの患者さんを診察する中、診療の合間に患者さんからの思いもよらない言動に対してついつい感情的になってしまう弱さ、自分でも自覚できる対応のまずさに悩んでいました。「代わりでもいいから患者さんの声をしっかり聞いてあげられたら、感情により生じる関係が悪化するのを食い止める事ができるかもしれない」。そうした思いで、24時間対応のコールセンターを立ち上げました。

当センターに届く患者さんの声をお聞きして分ったのは、患者さんのお声をゆっくりとした気持ちでと聞くと、患者さんのお気持ちが和らぎ、ご自身である程度問題を整理されていかれるということです。誰だって自分に対する厳しい声を聞くのは苦痛です。当事者同士の場合、感情的になり易く、問題の本質が見えにくくなることがよくあります。ところが第三者であれば冷静に聞き取りする事が可能になり、解決の間口が広くなります。

裁判沙汰になるまで問題がこじれてから弁護士さんを立てて争うケースもありますが、そうなる前に対応出来ていれば解決できたのではと思われるケースがたくさんあると思います。当センターが目指しているのは「法的手段に頼る解決ではなく、人的解決です」。患者さんとの人間関係をスムーズにしてより良い信頼関係を築くことを目的としています。当センターをご活用いただくことで「患者さんのことを真剣に考えている歯科医院である」ことを積極的にアピールされ、より良い信頼関係の構築にお役立て欲しいと思います。

日本歯科医療相談センター
代表 山崎芳徳

歯科医院経営・総合情報誌 アポロニア21 2月号より

Greeting1

歯科医院経営・総合情報誌 アポロニア21 2月号に掲載されました。

推薦者の声

関根先生

苦情・クレーム対応アドバイザー
関根 眞一氏

ベストセラー「となりのクレーマー」の著者
歯科医療雑誌「アポロニア」、医療雑誌「看護展望」に苦情対応の記事を連載中。

平成25年には、11,000人の歯科医師が路頭に迷うという記事がありましたが、あながち嘘ではないような気がしてきました。歯科医院の大変さは、点数改正の問題に始まり、毎年2000人を超える歯科大卒業生が競争に拍車をかけてきます。しかしこの問題は、歯科業界に限ったことだけではなく、一般企業も同じ境遇にあります。原因は、少子高齢化と老人化社会にあるといっても過言ではないでしょう。死亡や引っ越しによる患者の減は仕方がないとしても、「苦情の対応ミス」で失う患者は、後にも悪影響を及ぼします。ところで、患者の苦情は全て苦情なのでしょうか。そして、全てを医院に伝えているのでしょうか。私は、その疑問解決にはコールセンターの利用をお奨めします。

患者が、些細な不安を院長に確認できずに不信に変えてしまったら怖いことです。それを、誰かが聞いて疑問を説くことで安心につながるのです。コールセンターの役目は医院の手を煩わせないことにあります。院長は治療に専念していただきたいものです。

誤った苦情・クレームの対応実態例

苦情・クレームがトラブルに発展したケース(歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア」より抜粋)

  1. 苦情・クレームをたいしたことと考えず、お金で解決しようとしたり、弁護士にまかせようとした。
  2. 「以前は…」「他の医院では…」「この上の材料なら…」「そのくらいはいいでしょう」など、軽はずみな言葉で対応してしまった。
  3. 治療内容に関して感情的な苦情・クレームを医師に確認せず対応してしまった。
  4. 受付対応などの小さなクレームに気が付かず、地域に悪いうわさが広がりお客様が激減した。
  5. 治療や衛生士のまずさから、マスコミや行政を巻き込んだ事件に発展してしまった。

歯科医の先生方へ

歯科医療従事者の方へ

患者さんやスタッフとで何らかの誤解やトラブルが発生し、
解決を望まれている場合はご相談下さい。

事例紹介1:「差別されているのではないか」

苦情内容(生活保護の患者さん)

生活保護を受けている。若い勤務医がブリッジをセットしたが、なかなか合わないので何度も噛み合わせを調整してもらった。しかし、だんだん痛くなってきて、院長に診療を代わってもらい、真ん中の歯の金属部分を外してもらった。

<考えられる背景>
補綴物の不適合はしばしば見られるクレーム事象だが、長引くと不信感につながる。この場合、担当医に対しての不満があることを医院側に示したようであり、院長に交替している。

痛みが消えたので、しばらくしたらまた作ってもらえるものと考えて連絡した。すると、「3ヶ月後に来てくれ」と言われたのでそのまま帰り、指定通り3ヶ月後にまた行ったら「もう少し様子を見る」ということで、結局、歯(ブリッジ)を入れてもらえなかった。医院からは「こちらから連絡する」と言われたが、その後半年以上も連絡がない。

<考えられる背景>
患者さんの主訴は欠損補綴であるわけだから、不適で撤去した後、別の方法で補綴さえることを当然望んでいる。これを連絡もせずに長期間放置していたことになる。

こちらから連絡したところ、「骨が薄いので時間がかかる。そのことは伝えたはずだ」と高圧的に言われた。何なのだろうと思った。骨は薄いか厚いかは、最初の段階でわかるはず。それならば、最初にブリッジを入れたのは判断ミス・医療ミスなのではないか。

<考えられる背景>
結局9カ月以上経った後に、患者側から連絡され、「骨が薄いために様子を見ている。それは以前にも伝えたはず」と回答している。これが患者さんの認識と一致しなかったために不信感を高め、さらに「医療ミスではなかったのか」と疑いを生じさせている。

生活保護を受けているので差別されているのだろうか。そういえば、院長に「周囲に生活保護の人がいたら紹介してほしい」と言われた。何か不正をしているように思える。

<考えられる背景>
生活保護を受け、公費医療の対象になっている人は、何らかのきっかけで「差別されているのではないか」と感じる可能性があると思わなければならない。しかも、「生活保護の人を紹介してほしい」という安易な依頼が、不正請求をしているのではないかとの疑いにつながっている。
コールセンターの対応

会員外の歯科医院に通っている患者さんからの苦情内容をそのまま聞きとって文章化し、院長宛に送った。しかし、先方からの連絡はなかった。1週間後、こちらから連絡したところ、「ああ、あの生活保護の方ですか。しばらく様子を見るように言ったのに、よく電話してくるので困っていたんですよ」との答え。「では、他の医院に行かれれば、先生にとっては解決になるのですね」と確認したところ、「まぁ、どちらかと言えばそうなりますね」と言われた。
患者さんには「先生には先生のお考えがあるようなので、もし不満があるようでしたら、他の歯科医院に行かれて相談されてはいかがでしょうか」と転院を示唆するアドバイスをした。転院後は満足したようだったので、「今度の先生は、良い先生みたいで良かったですね」とクローズした。
その後、この患者さんからの連絡は受けていないが、転院までの間、多くの人に当該歯科医院に対する不満を漏らしていたようだ。

コールセンターとしては、歯科医院側に誠意が見られない場合、あえて患者さんに転院を勧めることもあり得る。「誠意」とは、患者とのコミュニケーションを絶やさないことに他ならず、時に「嫌な相手」と思っても、悪意のあるクレーマーとして扱うことには十分な注意が必要。
「2番目の医院は良医になる」といわれている。それは、前医への苦情を聞いているので、あらかじめ対処できるからである。

事例紹介2:「仮歯がなかなか合わない」

苦情内容(インプラント埋入後の不安)

インプラント手術の終了後、装着した仮歯が少し大きいと感じたので、小さくしてもらいたいと受診。

<考えられる背景>
歯科医師にとっては「暫間的な処置」と思っていることでも、その場で不具合を感じると、苦情事象となる可能性がある。

今度は、小さくなりすぎて合わず、インプラントも出来上がりが小さかったので、また作り直している(この部分は若干意味不明)

<考えられる背景>
上に同じ。

「型を採るのに大きくなったり、小さくなったりするのはとても不安」との訴え。「明日その歯科医院に行くつもり。どう言えば良いか。」

<考えられる背景>
仮歯をセットするにしても、印象採得を繰り返し行うことになるが、患者さんは「一回で適合させられないのか」(=不信感)と感じることがあり得る。「明日その歯科医院に行くが、どう言えば良いか」との質問は、患者さんが歯科医院に対して不満があるのではなく、関係性を継続させるためにどうすれば良いか悩んでいるということである。
コールセンターの対応

院長宛にクレーム内容を文章化してファックスした。その最後に、「患者さんには、『心配は要りません。仮歯なので、何度も納得出来るまで先生に質問や要望を言ってください。ただし、できることとできないことがあるのは事実です。話し合い、しっかりゴールを目指してください』と伝えるつもりですが、よろしいですか」と確認の文面を添付しておいた。先方の承諾を得たので、患者さんに電話連絡したところ、安心した様子で「これからも、先生やスタッフの方を信頼して通います」と答えてくれた。私は「話をじっくり聞いてくれる先生だと思いますので、いろいろと聞かれたら良いと思います」と伝えた。

インプラントは、埋入してから上部構造をセットするまで時間がかかる術式が一般的であるため、その間、患者さんは不安を覚えることが多い。その際、さまざまな不安を訴えてくるが、これを「責められている」と受け取らず、症状の訴え、あるいは質問として冷静に医療的な対応を取ることと、時間をかけて話を聞く態度を維持することが重要になる。
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